ある日、奥さんの実家で食事の配ぜんを手伝ったときのこと。
ボクが箸を置いた瞬間、お義母さんがくすっと笑いました。
「日本ではこう置くんだねぇ(笑)」
「え!? どういうこと???」と驚くボク。
今まで全く気にしてなかったのですが、そこで初めて気づかされたんです――韓国と日本で、箸の置き方が違う!
日本と韓国、箸の置き方の違い
韓国で大体のお店では箸を自分で取って置くので気づかないかもしれません。
実は配膳の時の箸の置き方が違うんです。
日本では箸は料理の手前に横置き、韓国では右横に縦置きなんです。
そして写真にある通り左がスプーン、右が箸を置くのが正式な置き方です。


ただ、考えてみたら、洋食もナイフとフォークは右側に縦置きですよね。(高級なお店では両側に出てくるかも・・・でも、縦置き)
世界的に見たら日本の箸の置き方が珍しいのかもしれません。
韓国ならではの「箸スプーン置き」って?
さらにおもしろいのが、韓国には「箸とスプーンを一緒に置くための小物」があるんです。
その名も수저 받침(スジョ パッチム)。
- 수저(スジョ):箸とスプーンのセットを意味する単語
- 받침(パッチム):支え、台、下敷き、という意味
韓国語を勉強している人には「받침」と聞くと文字の下にくる子音のことを思い浮かべるかもしれませんね。まさに“下から支える”というニュアンスです。※韓国語のパッチムについてはNHK出版のこちらのサイトで詳しく説明されています。
韓国はスープ料理(スンドゥブチゲやテンジャンチゲなど)が豊富なので、スプーンの出番が多く、それで箸だけでなくスプーン置きも兼ねた物があるんですね。

韓国の基本食事マナー、他にもいろいろ
箸の置き方以外にも、日本とは違うマナーがいろいろあります。以下に代表的なものを紹介します。
① 器は持たない
日本では茶碗やお椀を手に持って食べるのが礼儀ですが、韓国では器はテーブルに置いたまま食べるのがマナーです。左手で軽く支える程度で、スプーンや箸を使って食べ物を口に運びます。
以前、とあるレストランで隣に座った小学生ぐらいの子どもたちがお父さんお母さんに「日本の人は器を持って食べるんだって~。」と面白そうに話していました。きっと日本のアニメかドラマなどでそんなシーンを見たんでしょうね。
② スプーンや箸は食器の上に置かない
食事中にスプーンや箸をお皿の上に置くのはマナー違反とされています。
使っていない方は、テーブルの上や수저 받침に置くのが基本です。
③ 直箸・直スプーン文化
ちょっと驚くかもしれませんが、韓国では大皿や鍋をみんなで直箸・直スプーンでつつくのが普通。
奥さんと付き合い始めた頃、彼女の友人たちと食事をした時、スープをそれぞれのスプーンでそのまますくって食べる姿に衝撃を受けました。
「え…これ、アリなんだ?」と思いましたが、すぐに慣れました。
それもまた“親しさの証”なのかもしれません。
ただし、最近ではコロナの影響もあり、若い人を中心に取り箸や取りスプーンを使う人も増えてきています。時代とともにマナーも少しずつ変わってきているようです。
まとめ:日本とけっこう違う韓国の食事マナー
箸の置き方の違いから、韓国の基本の食事マナーについて知ることができました。
まとめるとこんな感じです。
✅ 箸とスプーンは右端に縦置き(左:スプーン/右:箸)
✅ 食器は手に持たない
✅ スプーンや箸は食器の上に置かない
✅ 大皿料理では直箸・直スプーンが一般的
でも、日本と同じでよほど改まった場所でない限りは、そんなに神経質にならなくても大丈夫です。普段、友達と気軽に食事する時なんかは、みんな普通に器を持ったり、食器の上に箸やスプーンを置いたりもしますから。
その他のマナーやお酒の席でのマナーなどが「韓国農水産食品流通公社」のサイトで詳しく紹介されています。特に正式な場所や年配の人と食事の機会がある人は知っていた方が良いかもしれません。

こうした日常のちょっとしたマナーの違いから、その国の価値観や文化が見えてくるのが面白いですね。
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