生活と文化

クリスマスが祝日!?教会がめちゃくちゃ多い韓国の宗教事情

奥さんと付き合い始めたころ、初めて韓国を訪れたときのこと。

すぐに驚いたことの一つが、教会の多さでした。

実際に調べてみると、キリスト教徒の割合も日本とは大きく違っていて、宗教的な背景の差が街の風景にもあらわれています。

この記事では、実際の体験を交えながら、韓国の宗教事情や教会文化について紹介します。


実はキリスト教徒が約30%!? 日本とは違う宗教事情

韓国では人口の約30%がキリスト教徒だそうです。

これはかなり高い割合ですよね。

ちなみに日本では、キリスト教信者は全体の約1%ほど。これと比べると、韓国でキリスト教がどれだけ浸透しているかがよく分かります。

韓国には仏教徒も約20%ほどいて、もちろん仏教も根付いていますが、数字で見るとキリスト教徒の方が多いんですね。日本では人口の約30%が仏教徒という調査があります。日本では仏教の方がはるかに優勢ですね。※参考記事


意外に日常に溶け込むキリスト教文化

韓国の文化的背景は日本と似ている部分も多くて、儒教や仏教の影響が根強いイメージがありました。

なので、最初は「韓国ってこんなにキリスト教が広まってたの!?」とちょっと意外でした。

でも、後から考えてみると、韓国ドラマでも教会のシーンや聖書の引用セリフってよく見かけますよね。

韓国の飲食店に行っても、十字架が飾ってあったり、聖書の言葉が掲げられたりするのもよく見かけます。

キリスト教が日常の文化として根付いているんですね。


クリスマスが祝日⁉ 仏教の祝日もある?

韓国では、クリスマス(12月25日)は祝日です。

日本では単なるイベントとして楽しまれている一方、韓国では欧米のほとんどの国と同じように正式な休日なんです。

その違いにも文化の差を感じます。

一方で、韓国には仏教の祝日もあります。ブッダの誕生日とされる日(旧暦4月8日)が祝日です。

旧暦なので毎年日付は変わりますが、たとえば2021年は5月19日、2022年は5月8日でした。(2025年5月5日、2026年5月24日、2027年5月13日)

ブッダの誕生に関連した祝日があるのはシンガポールやタイやマレーシアなど、世界的には少数の国だけです。

韓国ではキリスト教も仏教も、どちらの信仰も公に尊重されているということが分かります。


いったい何軒ある?散歩中に見かけた教会とお寺の数

最近、奥さんと一緒に家の近くを1時間ほど散歩したことがありました。

片道30分ほど歩いただけで、なんと4つもの教会を見かけました。しかも、どれもそれなりに立派な建物。

韓国の教会1
近所の教会その1
韓国の教会2
近所の教会その2
韓国の教会3
近所の教会その3
韓国の教会4
近所の教会その4

それに対して、お寺は0、一軒も見かけなかったんです。

もちろん、韓国にも世界遺産に認定されている慶州市(キョンジュ)の「仏国寺」(불국사 プルグッサ)のように有名な仏教寺院はたくさんありますし、郊外や山あいには立派な造りのお寺を見ることもできます。仏国寺」については韓国旅行専門サイト「コネスト」の記事をご覧ください。

でも、日本の神社やお寺のような日常の生活圏にある宗教施設といえば、韓国では教会という印象が強く残りました。

韓国では時々、冗談で「コンビニの数ぐらい教会がある」と言ったりしますが、少なくとも我が家の周りではそれは事実のようです。(後日、近所でさらに何軒か教会を見つけました。我が家の周りではコンビニより多いかも。。。)

さらに韓国の教会は十字架や教会名がネオンサインになっているので夜は特に目立ちます。

韓国の教会のネオンサイン
教会のネオンサイン

実は2種類ある韓国の教会

日本ではキリスト教徒の人口が少ないせいか、カトリック系キリスト教とプロテスタント系キリスト教を一緒にして同じキリスト教と考えることが一般的ではないでしょうか。

※カトリックとプロテスタントの違いについては、ダイヤモンド・オンライン「【日本人の知らない教養】「カトリック」と「プロテスタント」の違いを説明できますか?」という記事をご覧ください。

でも、韓国ではキリスト教、基督教(기독교 キドッキョ)というとプロテスタント系を指すことが多く、カトリック系の方は天主教천주교 チョンジュギョ)と呼んで分けて考えるようです。

冒頭で述べた韓国のキリスト教信者の比率も、プロテスタント系20%、カトリック系10%を合わせた数字です。※細かなデータや解説はこちらの参考記事をご覧ください。

実は建物の呼び方も違います。「教会」というとプロテスタント系の「教会」교회 キョフェ)のことで、カトリック系の教会は「聖堂」성당 ソンダン)と呼びます。

教会と聖堂の見分け方は、「教会」はビルや独特なデザインの建物、ビルのテナントとして入っているものまで様々で、「聖堂」はステンドグラスがはめ込んであるような伝統的で格式ある感じの建物が多いです。

明洞聖堂
観光スポットとしても有名な明洞聖堂
(명동성당 ミョンドンソンダン)
明洞の教会
明洞にあるビル型の教会(교회 キョフェ)
明洞聖堂|明洞(ソウル)の観光スポット
繁華街、明洞に位置するゴシック建築のカトリック教会 -「明洞聖堂」の詳細情報。地図、、口コミも紹介。

おわりに:宗教を通して見える文化の違い

韓国に来ることがあれば、通りにある教会にも注目してみてください。

きっと、その多さと規模に驚くと思いますよ。

「韓国って、教会が本当に多いんだな」

最初はただの驚きでしたが、今ではすっかり日常の風景として馴染んできました。

そして、お隣なのに宗教事情は日本とはかなり違うなと感じます。

宗教に関しては世界的に見て日本が特に独特なんだという意見も聞いたことがありますが、どうなんでしょう。。。

日本とは違う宗教観や文化の違いを、こういう日常の中でふと感じることができるのも、海外生活の面白さかもしれません。